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ホテルジャンキー村瀬千文とホテルにまつわるヒト・モノ・コト

元女子にもどった「札幌全日空ホテル」の夜

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 ”嵐を呼ぶオンナ”の異名をもつわたしだけに、台風が日本列島を通過するなか、みなさんに心配されましたが、台風北上中のわずかな間隙をぬって、無事、帰京しました。

さて、今回の札幌旅行では、久しぶりに中学校のクラス会に参加した。

会場は「札幌全日空ホテル」。1974年開業の全日空ホテルの第一号ホテルで、いわゆる同窓会でよく使われるホテルである。

ホテルに着き、ロビーですれちがったかなり太めのオッサンに会釈されたのだが、知らない人だったのでさらりと無視。あとで「ご、ごめんっ!あんまりにも変わってたからぁ」と謝罪し、さらに墓穴を掘るハメになった。

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お世話になったM先生も髪の毛は真っ白になったがお元気だった。

出かける前に母が「そういえばM先生ね、札幌オリンピックのとき、アンタが選手村に入り浸ってるんで相談したら『お母さん、ほっときましょう』って」とチクっていたが、いまだにお正月には教え子たちが家に押しかけている。

 

久しぶりに再会した元クラスメートたちの開口一番の言葉っていうのが、なかなかおもしろかった。

「ムラセの隣の席のとき、先生に当てられてわからないといつもそっと教えてくれてさぁ」

へぇ〜、わたしってけっこうやさしい人だったんだ。

「ムーちゃん家に行ったとき、お母さんが作ってくれたキャラメル、すっごく美味しかったぁ!」「ムラセのお母さんが作ってくれたキャラメル、今でもこれまで生きてきたなかで一番美味しかったよ!」と2名。

わたしのことよりも何よりも、母の手作りキャラメルがまず頭に浮かぶらしい。食べ物の記憶というのはすごいものだと思った。

食べ物といえば、わたしがお弁当の内容(トンカツ)を覚えていた元男子は、「へぇ〜、ウチの母さん、そんな弁当つくってくれたことがあったんだ…」と遠い目。

その日のことはよく覚えている。いつもはパンを買っていた彼が、「今朝、起きたらさ、母さん、会社休みだからって、弁当作ってくれてたんだ。コレさ、朝からちゃんと麦粉つけて、油で揚げてくれたんだよ!」と目を輝かせてうれしそうにトンカツを見せてくれた彼のお弁当にはわたしも手が出せなかった(って、実はわたし、隣席の男子のお弁当のおかずをよく奪ってました、ごめん・・・)。

不思議なことに、わたしがお弁当のおかずを取り上げた男子たちにそのことを話しても、みんな覚えていない。いや、覚えていないフリをしてくれてるのかも。

M先生に「そこのふたり、チョロチョロしないっ!」といつも一緒に叱られていた相方のN君は、あいかわらずチョロチョロしてたが、きっとわたしも「あいかわらずチョロチョロしてるなぁ」とみんなに思われてたにちがいない。

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三次会まで参加し、深夜ホテルにもどると「札幌の女の人って、夜、なかなか帰らないでしょ」と母。

たしかにそうだった、札幌ってとこは。