旧リージェント香港。
今はインターコンチネンタル香港だが、
わたしにとっては今でも「リージェント香港」。
二日目の朝は、ここのロビー・ラウンジで朝食。
香港滞在中、いつ行くかは決めていなかったが
今朝、雨模様の空を見あげた瞬間、
こんな日の、あのロビーラウンジの姿を見たいと思った。
カオルーン・ホテルを出た時は雨は止んでいた。
濡れたアプローチからそっと「リージェント香港」を見上げる。
と、エントランスの手前で突然、スコール。
あわてて玄関に駆けこんだ。
ドアマンがさっとタオルを差し出してくれる。
ロビーラウンジの店内にはPCを開いてお仕事中の欧米人男性客がひとりだけ。
下のレストランフロアから皿やカトラリーがぶつかる音、人の声など
朝食時のざわめきは聞こえて来るけれど
そんなのはみんな遠い下界の出来事、
といった感じの
静かな止まったような時間が流れている。
席に着いて外を眺めると、スコールが左から右へと通りすぎていく。
「濡れませんでしたか?」
気づかうウェイターに朝食を注文し、
ふと窓の外を見ると…
なんと、虹がわたしの真正面にあらわれた!
オレンジジュースを運んできたウェイトレスに
「Rainbow! 虹よ」と指さすと
「Oh! You are so lucky! ラッキーですね!」
と顔をほころばせた。
向こうの欧米人男性客もつられて外に目をやると
いそいでスマホを出してカシャッとやり
わたしに向かってニッコリ。
わずか1分ほどの
「リージェント香港」がわたしにプレゼントしてくれた
ショーだった。
Somewhere over the rainbow
どこか虹の彼方に
the dreams that you dare to dream really do come true.
夢は強く願えば願いはかなうもの
わたしのホテルジャンキー人生の原点となったホテルでの
今朝の出来事でした。