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ホテルジャンキー村瀬千文とホテルにまつわるヒト・モノ・コト

「眺めのいい部屋」におけるランク

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梅雨に入ってから、雨女を返上し、晴れ女になっている。わたしの外出時に限って梅雨がうそのように空は雲ひとつなく晴れ渡り、海はぐんぐんと青さを増して輝く。

先日も曇り空のなか美容室に出かけると、あれよあれよという間に晴れてしまった。ここは眺めがいい美容室として知られるが、なにしろ窓一面が海に面しているので、海の状態がどうかというのは心理的に影響を与えるだろうと思われる。空が晴れあがり、海の色が青くなるにしたがい、スタッフたちが明るく陽気になっていくのがわかった。

 

ホテルでも、泊まった部屋からの眺めのよしあしが、そのホテルの印象に影響を与えることがある。特にビーチリゾートのホテルでは海の見え方が勝負どころのひとつ。したがって、ロケーションはとても重要だ。

そして、「海が見える部屋」というのは「オーシャンビュールーム」といってランクが高い良い部屋で、料金も高いことが多い。

これにもクラスが何段階かあって、海が真正面に見える「オーシャンフロントビュー」、真正面ではないけれどいちおう海が見えるといっても嘘にはならない「オーシャンビュー」。そして、窓から首をうんと出したり、バルコニーに出て体を乗り出すとちらっと海が見えるとかいう条件付きになると「パーシャルオーシャンビュー」などと呼ばれる。まあ、パーシャルと付けているところには少なくともホテルのささやかな良心が感じられる。

 

ロケーションはばっちりでも、その眺めをどう生かすか、ここが作り手の腕の見せ所である。

 

鎌倉プリンスホテルに行っていつももったいなく思うのが、絶好の眺めの場所がウェディングなど宴会の打ち合わせ場所になってしまっていること。まあ、ホテルとしては大きな売り上げを握る宴会部門の勝負をかけるところなのだろうけれど。