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ホテルジャンキー村瀬千文とホテルにまつわるヒト・モノ・コト

雨の葉山を歩きながらつくづく想うこと

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葉山の秋保海岸を取材がてらぶらぶら。雨のおかげでビーチには人影もなく静か。こういう感じもいいなぁと思う。

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今日の取材の目的地はついこの先なのだが、「私有地」って、この書き方と大きさが、ちょっとコワイ…。歩くときもつい迂回しないといけないような気がする。

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わたしの目的地とさっきの「私有地」のお宅の間にあるこのプライベートビーチ風のところは、誰のものなんだろう? いちおうチェックしてみたが、ここには「私有地」の看板とかはなかった。

左手の白い壁が目指す取材先。

 

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葉山・秋保海岸に昨年のクリスマスイブにオープンした客室数2室のホテル「HAYAMA Funny house」。

建築好きの方にとっては、吉村順三設計の「湘南秋保の家」と言った方がわかりやすいかもしれない。映画監督の羽仁進が娘の未央さんとかつて住んでいた家である。

そして、ホテルジャンキーにとっての吉村順三とは、京都の鴨川沿いにあった旧ホテルフジタ京都(今は壊され、その跡地に建っているのがリッツカールトン京都)を設計した人であり、俵屋を設計した人でもある。

別荘として使われていた2棟の家をホテルにリモデリングしたもの。

 

オーナーは芝浦のレストラン「Funny hours Tokyo」、代官山の「WAGURA DAIKANYAMA」の経営者。

ロケーションから見ても、元の建物の設定から見ても、ちょっとうるさい旅慣れた人のひとり泊りにぴったりなホテルになるだろうとお見受けするのだが、現在はファミリー利用仕様になっている。ちょっと残念。

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このあたりは海の透明度がすごく高く、お天気が良い日にはほんとうに海がきれい。

先日、「鎌倉別荘地時代研究会」のメンバーの方に「このホテルからの眺めはコートダジュールのようよ」と教えていただいた、葉山ホテル音羽の森がすぐ近くなので寄ってみることにした。

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あっれれ、ちょっと外装のペンキが剥げていたり錆びたりしてメンテナンスが行き届いてないな…。などと思いながら、がんばって急な坂道を上る。

中を見せていただいたりしたが、いまひとつ、コレ!というところがないまま残念な思いで外に出たところで、ついにいいところ発見!

建物の裏山の上にテラスのようなスペースがちらっと見える。あそこなら眺めも良さそうだし、緑に囲まれて気持ち良さそう。プールでもあるのだろうか?

さっそくスタッフの方に尋ねてみる。

「あそこ、レストランかプールかなんかですか?」

「いえ、チャペルがありまして、ウェディングスペースなんですよ」

残念…。

 

雨の葉山を歩きながら、つくづく想った。

惜しい…。ほんとうに惜しい。

こんなに良いものがありながら、生かせていない。

もったいないなぁ。