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ホテルジャンキー村瀬千文とホテルにまつわるヒト・モノ・コト

朝食のトーストは、ホテルのすべてを語る

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久しぶりに「そう、そう! こういうのが食べたかったの!」というトーストに出会ったのは、ニューヨークのグリニッジ・ホテルの「ロカンダ・ヴェルデ」での朝食。

パンの種類も焼き加減も、何から何までぴったりと私の好みに合った味だった。

ホテルジャンキー族 朝食科に属するほど、ホテルの朝食が大好きなのだが、トーストはホテルの良し悪しがわかる「試金石」だ。

朝食のトーストをおざなりにしているホテルにいいホテルはない(わたしの個人的意見です)。

 

昔、香港のシャングリラ・カオルーン・ホテルに泊まったとき、ルームサービスで朝食を頼むと、トースターをワゴンの上にのせて部屋まで持ってきて、ボーイがその場で好みの焼き加減を聞いて焼いてくれたのには驚いた。

そう、トーストにも人によって焼き方の好みがある。ステーキの焼き加減をたずねるのに、どうしてトーストの焼き加減はないがしろにされるのだろうか? とは常々思うことだ。いまより手間がかかるのは当然なので、受益者負担分としてそのぶん高い料金を払ってもいいと思うほどである(わたしはですが)。

レストランでも、トーストが冷めないようにナプキンでていねいに包んで持ってきてくれるところ、一枚一枚がカリッとした状態を保つようトーストスタンドにのせてくるところなど、それぞれのこだわりだが、できるだけ美味しいトーストをゲストに食べてもらおうというその気持ちが伝わってくるようなホテルは、一事が万事でいいホテルであることが多い。