シラク元フランス大統領が亡くなった、というニュースを聞いて思い出したのは、彼がヴァカンスでよく訪れていたホテルのこと。
コートダジュールのニースからモナコに向かう途中、高級別荘地として知られるサン・ジャン・キャップ・フェラにある「ラ・ヴォワル・ドール」。
このホテルの名前を初めて耳にしたのは、わたしのOL時代の元ボスである故 北原秀雄 元駐仏大使から。
北原大使については、本ブログでも何度か触れたことがある ↓
わたしに日本人離れしたホテルの使い方と食への強烈なこだわりを教えてくれた方である。
その北原大使が「シラクとプールサイドで寝転んでいた時にだな、もう暑くて暑くて…」と語ったホテルがこのホテルだった。
その話を聞いて数年後に訪れてみたら、客室のインテリアなどは特に贅を尽くしているわけではないが
館内で出会うシーンのひとつひとつが
美しく、独特の時間が流れていた。
「シラクはお相撲が大好きでね」と北原大使はよく笑いながら言っていたが、来日するときは相撲観戦は必須で、ふたり並んで笑顔で語り合う姿がテレビ中継に映し出されていたものだ。
「フランス人のようにフランス語を話すジャポネ」とフランス人たちに言われていた北原大使、今頃、あの世で旧友を迎えてアンブラッセしているだろう。合掌。