ただいま来日中のサウジアラビアのサルマン国王がどこにお泊まりか、巷ではいろいろな噂が飛び交っているようだが、どうやらココ ↑ らしい。
おそらく日本で最も豪勢な宿泊施設を持っているだろうと言われている(個人所有のものは除いて)、「迎賓館赤坂離宮」である。
都内の高級ホテルがどんなにがんばっても、これだと勝ち目はない。
今回は同行者の数も1000人を超えると言われ、都内の高級ホテルはスイートルームから順に大にぎわい。先週、帝国ホテルに行ったら宴会ロビーにはサウジアラビア人の特設チェックインカウンターみたいなものが設けられ、あたりではアラビア語が飛び交っていたが、先乗りの準備スタッフたちだったのだろう。
さて、日本訪問の前にはインドネシアにも寄られたサルマン国王だが、彼の地ではどこのホテルにお泊りだったのだろうか?
さっそく調べてみたところ、ジャカルタでお泊まりだったのは、「ラッフルズ ジャカルタ」。
2015年8月に開業。「チプトラ・ワールド・ジャカルタ」内にあり、客室数173室。
この「ラッフルズ」というホテルブランド、実はサウジアラビア王室とは縁がある。サウジアラビアの数多いる王子のひとりで、タイム誌によって「アラブのウォーレン・バフェット」と呼ばれた投資家で、アラブ世界では最もお金持ちと言われるアル・ワリード王子が一時、所有していた。
アル・ワリード王子はホテルがお好きなようで(あるいは儲かると思っているのか、知りませんけど)、フォーシーズンズ・ホテルズもビル・ゲイツと一緒に買ったりして、これまでにもしばしばホテル、というより、ホテル・チェーンを買われた。
余談だが、この王子、トランプ大統領とは大統領選中にツイッターで罵り合戦をし、「おまえなんか、全米の恥だ! 大統領選から消え失せろ!」と言ったら、トランプ氏に「まぬけ王子」と返された。
話はそれたが、ようするに、王子の投資会社であるキングダム・ホールディング・カンパニーがアメリカの投資会社のコロニー・キャピタル社と共同で買収したのが、ラッフルズとフェアモントだったのだが、その後、カタールの政府系投資会社を経て、現在、ラッフルズはフランスのアコー・グループに買収され、その傘下にある…というなにがなんだかわからないくらい、売ったり買ったりが繰り返されているホテルブランド、それがラッフルズ。
それくらい「ラッフルズ」というホテルブランドにはブランド価値がある、とも言える。
で、サルマン国王のお話に戻ると、バリ島にもお寄りになり、こちらでお泊まりになったのは、「セントレジス・バリ・リゾート」。
2008年9月にヌサ・ドゥアのバリ・ナショナル・ゴルフ・リゾートのすぐ南にオープンしたスターウッド系のホテルで、客室数124室。
お泊まりだったと思われる部屋は、最高級グレイドの「グランドアスタープレジデンシャルスイート」518平米。スターウッドのなかでは最高級ブランドではあるけれど、
こんなに部屋もたくさんあるけれど、
迎賓館には、そして、たぶん、サウジアラビア王宮にはぜーんぜん敵わない。
仕事柄、世界各地の高級ホテルで、いわゆる最高級グレイドの部屋を見せてもらう機会があったが、こんなところばっかり泊まっていたら、飽きるだろうな…というのが正直なところ。最高級感を出そうと思うと、いずこもやることは同じになる。
もし、機会があったら、ぜひサルマン国王に尋ねてみたい。これまでお泊まりになったホテルで、どこがお好きでしたか? と。
*迎賓館赤坂離宮の写真は内閣府のサイトから、「ラッフルズ ジャカルタ」と「セントレジス・バリリゾート」の写真はそれぞれの公式サイトからお借りしました。