マリオットに挑戦したスターウッド買収への参戦で世界のホテル界にその名を売った安邦保険集団だが、所有するニューヨークのウォルドルフ・アストリア・ホテルのコンドミニアム化のニュースでアメリカ国民にショックを与えた後、しばらくおとなしくしているなぁと思っていたら、やはり水面下では次なるターゲットを定め、着々と攻めていたようだ。
今度の舞台はイギリス。どうやら次のターゲットは インターコンチネンタル・ホテル・グループ(IHG)のようだ。
8月7日付の英国紙「サンデー・タイムス」が報じて以来、各メディアが続報を打ち、いずこも確認のため取材申し込みをしているようだが、今のところ安邦保険集団は沈黙を保っている。が、火のないところに煙はたたぬ。
そして、IHGはどこよりも先に一番に中国進出を果たし、現在、中国における最大のグローバルホテルチェーンでもある。
(上記2点の写真はIHGのサイトからお借りしました)
すでに、買収総額は70億ポンド(約9200億円)らしい、という具体的な数字も出ている。
で、この取引が成立すると、イギリスにおける中国企業の買収としては史上最高金額の取引となるらしい…という記事を読んで、ハタと思った。
「史上最高」…これだ!
これは何よりも彼ら中国人ビジネスマンの心をそそるだろうな、と。
取引が成立しようとしまいと、関係ない、これでまたタダで会社のPRができたのだから、と安邦保険集団サイド考えているかどうかはわからない。スターウッドがダメなら、IHGがあるさ…と考えているのかどうか、これもわからない。が、ともかく、「また、例のあそこが…」と言われるまでになったのは確か。
IHGはロンドンに本社があるホテル運営会社で、運営している総客室数では世界一の規模。インターコンチネンタル、ホリデイイン、クラウンプラザ、ホテルインディゴなどのホテルブランドを持ち、世界100カ国以上の国で4500軒以上のホテルを運営している。
スターウッドがダメならインターコンがあるさ。
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