七里ガ浜の海に面した有名店「bills」でランチした際のこと。
会計を頼むと「もしよろしかったらお飲み物のおかわりをお持ち帰りでいかがですか?」と満面の笑顔で言われた。ここのはカップが小さいので少し飲み足りなかったし、ビーチを散歩しながらコーヒーを飲むのも悪くないなと思い、頼もうかな、と心が動いた。
が、この笑顔、どこかで見たことがある…。と、センサーが作動。念のため尋ねてみた。「別料金で、ということですか?」
すると笑顔のまま黙ってうなづくウェイトレス。ああ、やっぱりな…。
実はかつてホテルで同じ経験をしたことがある。
フォーシーズンズ丸の内がオープン間もない頃、ホテルジャンキーズクラブで朝食会を開いた。その時、フレッシュオレンジジュースを注文した人たちのところに、ウェイターがピッチャーを手に満面の笑顔で、「よろしかったら、ジュースのおかわりいかがですか?」と回って歩いていた。
その中に、すすめられるままに2杯、おかわりを頼んだ人がいた。支払いの請求書が回ってくると、その人の目が大きく見開いた。なんと、おかわり2杯分の代金が請求されていたのだ。当時はけっこう高かったフレッシュオレンジジュース。確か、朝食代だけで8千円くらい払っていたように記憶している。別料金だったら頼まなかったのにぃ…と悔やんでいたが、時は遅し。
この話はすぐにホテルジャンキーたちの間に伝わり、以後、おかわりをすすめられた際には、必ず別料金が発生するかどうか確認するように、という、教訓その1になっている。
ちなみに英語では「Is it complimentary? イズ・イット・コンプリメンタリー?」。
あるいは語尾下げで念のための確認風に「It's free of Charge. イッツ・フリー・オブ・チャージ」。
もっと簡単に、「No charge. ノーチャージ」。
七里ガ浜の「bills」の場合、観光客がとても多い店で、すすめられるままに頼んじゃう人もけっこういるだろうなと思う。こういう時はやはり、「別料金になりますが」とひとこと言ってもらいたい。