ニースの海岸通り プロムナード・ザングレの中心にあり
1891年に開業した街のシンボル的存在が「ネグレスコ・ホテル」
その名物オーナーとして知られたジャンヌ・オージエ、通称マダム・オジエが
去る1月7日に死亡した。享年95才。
1957年に父親のジャン・バティスト・メナージュ氏がホテルを買い、当時34才だった娘とその夫に経営を任せた。
外国人に売却されたり、大手ホテルチェーンの傘下に入るホテルが相次ぎ、フランス人オーナーはほとんど残っていないのでは、といわれるコートダジュールにあって、最後までフランス人オーナーとして貫いたのが「マダム・オージエ」だった。
初めてこのホテルに泊まったのは1980年代の終わりだったが、度肝を抜かれたのがゴールドのバスタブ。
当時はちょうど天才シェフとして一世風靡したジャック・マキシマンがメインダイニングの「シャンテ・クレール」でミシュランの二ツ星を獲得し、注目を浴びていた頃で、世界各国から有名人たちが泊まりに訪れていた。
建物だけの資産価値は4億ユーロ(約500億円)と言われているが、以前からいくらでも買いたいという購入希望者はあとをたたず、フォーシーズンズの共同オーナーのひとりでもあるビル・ゲイツも熱心なそのひとりだったそうだ。
マダムに合掌。