「リッツカールトン北京」のシャンデリア輝くボールルーム。
テーブルについているのは中国の富裕層と呼ばれる人たち。
スクリーンにはトランプ大統領の顔が映し出される…。
5月6日、あるアメリカの不動産会社の投資説明会が開かれた。
壇上に登場したのは
大統領の娘婿で大統領の上級顧問も務めるジャレッド・クシュナーの妹
クシュナー家がニュージャージー州ですすめている
高級マンション「ワン・ジャーナル・スクエア」への投資を呼びかけたのだが、
ついつい勢いあまったのか、
「このプロジェクトは
means a lot to me and my entire family.
わたしにとって、そして、わたしの"家族全員"にとって重要な意味を持ちます」
my entire family=家族全員
と意味深な表現をしただけでなく、さらに、
「兄のジャレド・クシュナーは1月に我が社を辞めましたが、
彼はいま、ホワイトハウスで働いています」
と兄の名前を出しちゃった…。
会場はどっと湧いただろうが
大統領周辺は頭をかかえたにちがいない。
ただでさえ、ジャレド・クシュナー氏の親中国路線が問題視されており、
同社がマンハッタンのプロジェクトで
中国の安邦保険集団との投資交渉をしていたのがメディアで問題になり
これをやめたと宣言してその火消しに追われているさなか。
今回のプロジェクトでは、
中国からの高額投資者に対して永住ヴィザが発行されることも売りで
かねてから《利益相反》ではないかと言われてきた。
しかも、説明会のあとニコール氏に対して
「利益相反になるのでは?」と問いかけたジャーナリストに対して
同行していた広報担当者が
「Leave us alone! ほっといてよ!」と言っちゃった…。
結果、「ニコール氏にそういうつもりはなかった」と同社が謝罪するはめになった。
ちなみにこのニコール氏。
どんな人物なんだろうと調べてみた。
大学卒業後はすぐに家業にはつかず
ラルフ・ローレンに10年間勤務。
2015年に入社しているので不動産業の経験は浅いが
ニューヨーク大学では都市計画で修士をとっている。
夫のジョセフ・マイヤー氏は写真が一切表に出ていない人で
義兄のジャレド・クシュナー氏がオーナーの「ニューヨーク・オブザーバー」を発行するオブザーバー・メディア社の会長兼発行人だが、
もともとは投資会社でヘッジファンドを担当していたという人物で
今回の中国の投資家説明ツアーにも参加している。
なんとなくみんな、
トランプ大統領の七光りがきくうちに
儲けられるだけ儲けて手仕舞いしちゃおうという
そんなふうに見えるんだけれど
何をそんなに急ぐのでしょうか?
トランプ・ファミリーの皆さん。
*ニコール・クシュナー・マイヤー氏の写真は同氏の「LinkedIn」ページよりお借りしました。リッツカールトン北京の写真は同ホテルの公式サイトよりお借りしました。