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ホテルジャンキー村瀬千文とホテルにまつわるヒト・モノ・コト

ラストリゾートとしてのホテル 〜3.11 東日本大震災時のホテル対応事例(4)

■ホテルインターコンチネンタル東京ベイ

港区の竹芝桟橋にあり、東京湾に面したホテルインターコンチネンタル東京ベイ。ふだんはすぐ目の前に広がる東京湾隅田川沿いのスカイスクレーパーの眺望が売りものの339室の中規模ホテルだが、羽田空港へのアクセスポイントである浜松町にも近く、周辺は中小のビルがぎっしりと並ぶオフィス街。

地震の後は、東京湾岸に面しているため津波の心配もあり、すぐ近くのお台場では地震発生直後に火災が発生して煙が上がるなど、緊迫した状況にあったが、同ホテルでは幸いにも人的被害や建物の損傷はなく、総支配人の目黒光紀さんは、最高指揮官として次々に対応に当たった。

なかでも、「アルコールの提供は全面ストップさせ、トラブルを防止」というのは、今回取材した他ホテルにはないことで目を引いた。緊急時には、トラブルの種になる可能性があることにはあらかじめ手を打っておくということのようだ。


◆ホテルが取った対応


地震発生に伴う迅速な地震対策本部の立ち上げ。

迅速な館内放送によるゲストへの安全確保。

スタッフによるゲストへの迅速な安否確認の実施。

ロビーを一般ゲストの避難所として開放。

ブランケット・毛布・ドリンクの提供。

長時間避難のゲスト、宿泊ゲストへサンドイッチ・スープを提供。

ロビーにテレビを設置し情報を提供。

外国人ゲストへ逐次情報を提供。

当日直接ホテルに来たゲストへの宿泊受け入れ。

ガスがストップした時点でレストラン営業を即中断し、場所を限定して避難所として開放。

アルコールの提供は全面的にストップさせトラブルを防止。

出火、ガス漏れ等に対する的確な確認の実施。

従業員及び家族の安否確認の実施。

帰宅困難社員への休憩場所の確保。

<続く>