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ホテルジャンキー村瀬千文とホテルにまつわるヒト・モノ・コト

ラストリゾートとしてのホテル 〜3.11 東日本大震災時のホテル対応事例(3)

セレスティンホテル

港区芝にあるセレスティンホテル。客室数は243室と小規模のホテルだが、近隣にオフィスも多いため、当日は、帰宅が困難となったビジネスマンたちが続々と集まってきた。マーケティングオフィス・企画課の後藤可奈さんも現場の前線で対応に当たった。

「帰宅難民の受け入れとして一階のロビーを一晩中、開放しました。

夜は、おにぎりを400個ほどお配りしました。また、水、毛布類の配布、携帯電話の充電、帰宅者への交通情報、道案内をいたしました。

朝は、朝食としてクッキー類、コーヒーをお配りし、引き続き交通情報速報をご案内いたしました。

エレベーターの停止やガスが使えない時間帯があり、お客様へご用意できるものが限られてはおりましたが一人でも多くの方のしのぎになりお役に立てればという思いでした。

客室アンケートに震災当時のお礼をいただいたり、震災後に避難されて来ていた方が後日お手紙を下さったり、後日ご宿泊頂いてアンケートにお礼を残して下さったりと、いつも以上にお客様との距離を近く感じ、コミュニケーションが濃かったことが印象的でした。

そうしたことからスタッフ間でもホテルで働くということにたいする使命感を新たに確認し合った時期ともなりました。改めてお客様一人ひとりにどんなお手伝いができるか、おもてなしができるかという意識が強まったように感じました。」

<続く>