人にもいろいろなタイプがある。
攻めには強いけれど、守りにはいると弱い人もいれば、その逆もあり。
さて、アメリカ人。
とにかく西だ、西だぁ〜、西へ向かって行けぇ〜、邪魔なものは先住民でもなんでもみんななぎ倒せぇ〜と怒涛のように進んで行った建国の時代以来、いったんはずみがつくとどんどん行っちゃうところがあるようだ。
そして、もうひとつ。
西部劇の時代からの、やられたらやりかえせの精神。
挑戦状をつきつけられれば、がぜん燃えるのがアメリカ人。
さて、今回の戦いで、
「お前らなんか相手にしないぜ!」と挑戦状をつきつけたのは、トランプ大統領。
「おーし、上等じゃないか。いまにほえづらかくなよ!」といきり立って燃えているのは、アメリカのメディア。
特にトランプ大統領の覚えがよくない「ニューヨークタイムズ紙」は、おそらく今、燃えに燃えているだろう。
そんな「ニューヨークタイムズ紙」の2月4日付の記事の鉾先になっているのは、トランプ大統領の長女で、大統領上級顧問であるジャレド・クシュナー氏の妻でもあるイヴァンカさん。
クシュナー氏については以前、本コラムでも書いた。
同紙の今回の記事のタイトルは
《たとえホワイトハウスの肩書きはなくとも、
大きな役割を果たしているイヴァンカ・トランプ》
記事は、非常におさえた論調で淡々と事実を積み重ね、論理的に攻め上げている。
いわく、イヴァンカさんの場合、正式な肩書きはなくとも、事実上、大統領の公務に参加し、ときにファースト・レディーとしての役割を果たしており、さらには夫が大統領の上級顧問職にある。
にもかかわらずビジネスも続けるのはちょっとまずいんじゃない?
という世間の視線を受け、先月、トランプ大統領は、娘のイヴァンカさんもまたトランプ・オーガニゼーションと彼女自身の会社のビジネスからは正式に離れると発表した。
しかーし、
ニューヨークの「トランプ・ソーホー・ホテル」の
リカー・ライセンス(酒類取り扱いのためのライセンス)の責任者が依然として、イヴァンカ・トランプさんの名前になっているのは、どういうわけかと同紙は問う。
同紙の取材に対して、トランプ・オーガニゼーション側はイヴァンカさんが役員を離れる書類上の手続きは済んでいるがそのプロセスに数週間かかると答えたそうだが、記事はこう結んでいる。
《He did not immediately answer questions about that specific liquor license.
ことリカー・ライセンスの問題についてはすぐには答えなかった》
さあて、ニューヨーク・タイムズの反撃、ここからじわじわ攻めていくのだろうか。
*トランプ・ソーホー・ホテルの写真は同ホテルの公式サイトよりお借りしました。