見るよりも、それを「見る人」の方が気になって仕方ない。
サンセットの名所と言われる鎌倉・稲村ガ崎の浜辺にいても、ひとり反対側を見ていたりするわたし。
名所百景は、「見る人」百景でもある。
ひとり夕陽をみつめながらじっと佇む人、
カメラを構えてひたすらシャッターを切り続ける人、
夕陽をバックにジャンプして自撮りに夢中な人、
夕陽の方にはちらとも視線を向けず、波打ち際ぎりぎりのところを歩くことに集中している人(この人、個人的にはいちばん興味ありました)、
今、この瞬間、ふたり肩寄せ合いながらサンセットを眺めていることにじーんとしている人たち、
「これが有名なアレか」と確認するや、すぐに振り返りもせず立ち去る人、
冬の海、ひとり夕陽に向かって泳いでいる人も。
世の中、いろんな人がいる。
それでいいと思う。
ホテルも同じ。
いろんなホテルがある。
いろんな楽しみ方をする人がいる。
それでいいと思う。