9月6日付の英国紙「The Telegraph テレグラフ」の記事によると 、ハリウッド俳優のブラッド・ピットが、クロアチアの海沿いの街にリゾートをつくろうとしている。
ハリウッド俳優でホテル経営をしている人は、ロバート・デニーロ、ロバート・レッドフォード、クリント・イーストウッドをはじめけっこう多い。レオナルド・ディカプリオも昨年、エコツーリズム・リゾートの計画を発表。ホテル好きとしてかねがね知られていたブラッド・ピットもいよいよホテルオーナー・デビューのようだ。
クロアチアのアドリア海に面したZablace ザブラーチェに計画されているのは、高級ホテル、分譲ヴィラ、ゴルフコース、レストラン・ショッピングエリアなども含む総合リゾートで、総工費15億ドル。スイスのファンドがすでに7000万ドルの投資を決めたと言われている。
実はブラッド・ピット、2012年にも一度、クロアチアでリゾート開発を計画したことがあり、今回が二度目の挑戦となる。
先日、視察のために現地を訪れた際、ブラッド・ピットが泊まったのは、 シベニクのマリーナ沿いにあるホテル「D- リゾート・シベニク」。
趣味はインテリアデザインで、かなりの建築好きとしても知られるブラッド・ピット、ビルバオ・グッゲンハイム美術館の設計などでも知られる建築家フランク・ゲーリーが大好きだという。妻の女優アンジェリーナ・ジョリーも大のホテルジャンキーとして有名で、世界各地のリゾートに出没しているのが目撃されている。
こんなカップルがつくるリゾートとは、どんなリゾートだろうか?
ブラッド・ピットは良いホテリエになれるのか?
楽しみにウォッチしていきたい。
以下、余談。
ブラット・ピットといえば、2011年11月掲載の英国「ザ・テレグラフ」紙のインタビューで、「ホテルのロビーを最後に見たのは15年前だよ。いつだって裏口から入って裏口から出るんだからね」(つまり、有名人だから)と語っていたが、おそらくこれは彼の記憶違いだと思う。
メキシコのロス・カボスに1998年にオープンした「ラス・ヴェンタナス・アル・パライソ」を訪れたとき、スタッフからこんな話を聞いた。
ブラッド・ピットが訪れた際、彼は正面玄関を入ったセミオープンエア・ロビーのすぐ左手にあるレセプションデスクで、ほかのゲストと同じようにチェックイン手続きをしたそうだ。
そのとき、レセプショニスト氏に「お名前を伺えますか?」と尋ねられ、「ブラッド・ピットですが」と名乗ったものの、よく聞き取れなかったレセプショニスト氏に「ブラッド・フー?…何様とおしゃいましたか?」と問い返されたんだそうな。
このレセプショニスト氏、映画事情に疎く、彼の顔も名前も知らなかったそうだが、ブラッド・ピットとしては新鮮な体験だったにちがいない。
ちなみにこのホテル、いわゆるセレブ界ランクでも最高クラスのVIPたちの御用達ホテルで、スター俳優だからといって大きな顔はできないのでも有名。たとえどんなに有名人だろうとも、ほかのゲストと同じように応対し、同じように扱うのがホテルのポリシーだから。
ゲストのプライベート・ジェット利用率がきわめて高く、空港からホテルまでの移動はストレッチ・リムジンが【普通】。ヴィラタイプの部屋ではプライベート・シェフ同行のゲストも珍しくはない。パパラッチなどからは厳重に守られているプライバシーが売り物のひとつでもあるので、有名人たちも安心して過ごせる。わたしが滞在中もダイアナ・ロスを何度か見かけたが、通りがかりのわたしにも気軽に挨拶したり、ロビーでリラックスして子どもと遊んでいた。
さて、こういうホテル経験をたくさん積んで、人生いろいろな経験も重ね、人生も後半戦の52才となったブラッド・ビット。
今がちょうど、ホテルのつくり時かもしれない。
* 写真は上から3点は「D- リゾート・シベニク」、そのほかの写真は「ラス・ヴェンタナス・アル・パライソ」の公式サイトからお借りしました。