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ホテルジャンキー村瀬千文とホテルにまつわるヒト・モノ・コト

無駄は、はたしてほんとうに無駄か?

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Photo (c)藤山純二郎

 

おととい(3月15日)のブログ【「マリーゴールド・ホテル」と紅茶】を読んだホテルジャンキーズクラブの藤山純二郎さんより、メールをいただいた。

アムステルダムのアムステル・インターコンチネンタルホテルの、ゲストに10種類の茶葉から選ばせるサービスは、

>もうやってません。今年1月中旬、アムステルのアフターヌーンティー行きました。今は3種の紅茶を勝手に(?)出してきます。ラウンジの壁の色も濃紺に変化してます。

 

とのこと。藤山さん、最新情報どうもありがとう。

ああ、アレ、やめちゃったんですね…。残念、残念。

「どうせ3種類しかオーダーないんだから、10種類も用意しておくのは無駄だろ」「いちいち茶葉が入った木箱を持って行ってゲストに選んでもらうなんていまどき効率悪い」なんていう経営サイドの声があったんでしょうか。

そういう「一見無駄なこと」や「遊び心」こそが、ゲストをゆったりくつろがせる時間の演出であり、ホテルならではの文化なんだけれど、と私は思う。

数字優先で作られた計画、たくさんの会議やらハンコをたくさん押したりん議書を経てつくられたホテルって、どうもつまらない。出る杭をみんな打っちゃった結果、悪くはないけれど「ああ!」とおもわず心を動かされるものがない。まあ、優等生の話がえてして退屈でおもしろくないのと同じ。

そのいい典型が、丸の内の新丸ビルなど都心の高層ビル内にできたレストランのあまりの「無駄なスペースのなさ」。土地は高いし家賃も高く採算を考えた結果、ぎりぎりのつくりになり、無駄なスペースは一切排除した…そんな事情がみえみえで、食事の時間をゆったり楽しむ気分もなにもあったものじゃない。これじゃホントに息が詰まる。

ちなみに前述の藤山さん、ホテルジャンキーズクラブの創立以来のメンバーのひとりで、ミシュランの三ツ星レストランの全踏破をめざして(かなりゴールに近いところまで行ったところで、ミシュランが三ツ星連発…)世界各地を食べ歩いている方です。

上の写真は藤山さんが今年の1月11日に訪れた際の写真です。