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ホテルジャンキー村瀬千文とホテルにまつわるヒト・モノ・コト

ラストリゾートとしてのホテル 〜3.11 東日本大震災時のホテル対応事例(5)

■庭のホテル東京


JRの水道橋駅から徒歩五分程、小さな商業ビルやマンションが建ち並ぶ神田三崎町界隈。その閑静な裏通りにあるのが、客室数238室の庭のホテル東京である。

2009年6月に新しく建てた際、地震対策のため地下をあえて駐車場にせず、免震構造にしたため、かなりの揺れはあったものの、通常の建物の1/4~1/5で、広報担当の赤羽恵美子さんによると、レストランの背の高い花瓶が2つ程割れた以外、幸いなことに建物への大きな被害はほとんどなかったとのこと。

地震発生直後から、近隣の企業から宿泊のお問い合わせが殺到しあっと言う間に満室となってしまい、対応に追われました。私共のホテルは出来てから日が浅く、大通りから奥まった場所に位置することもあり、 他の大型ホテルのように大勢の帰宅難民の方のご来館は見られませんでした。外からもロビーやレストランの様子がよく分かるのですが、ちょうど館内にいらっしゃったお客様、特に海外のお客様が皆さん一階のロビーやレストランに避難され、満席の状態が外から見えたせいもあるのか、近所にお住まいの方、お勤めの方が数名程度、避難されただけでした。

ご宿泊のお客様には、建物の安全性をお伝えし、それぞれのお部屋に戻っていただくよう誘導した後、空いた場所を近隣の方々に開放し、毛布やバスタオル、水などを配布してお休みいただきました」

<続く>