「彼」もこんな眺めを見ていたのだろうか?
ゲジラ島というナイル川の中州にある「カイロ・マリオット・ホテル」からはナイル川とカイロの街が見おろせる。
「彼」とは、イスラエルの諜報機関、泣く子もだまるモサドのスパイ、ウォルフガング・ロッツ氏。
1960年、ドイツ人になりすまして、当時「ザハラ・ホテル」と呼ばれていたこのホテルに住み、
当時、カイロの上流階級の人々の溜まり場であったこのホテルに出入りしていたエジプトの高官たちと知り合って諜報活動を行い、
スパイであることがバレた後、エジプト兵5000人と交換されて釈放された伝説のスパイである。
その時から四半世紀以上の時がたってこのホテルに泊まったとき、なんとも言えない独特の雰囲気があるように感じた。
誰もがスパイに見える、そんなホテルだった。
*「カイロ・マリオット・ホテル」の写真は同ホテルの公式サイトよりお借りしました。