ワシントンDCの「ウォーターゲート・ホテル」の屋上バーです。
「どこのホテルに泊まってるのかね?」
これで墓穴を掘ったのがニクソン大統領だった .....
というのは、あくまでも映画「フォレスト・ガンプ」では、ですが。
映画を観てない方のために書くと、
首都ワシントンのホワイトハウスで
ニクソン大統領と会見した主人公に
大統領は、ホテルはどこだね?と尋ねる。
主人公が答えたホテル名を聞き、
「ノー、ノー、ノー。あんなとこはダメだ。
もっと良いところがある、出来たばかりでモダンなホテルだ。
よし、君のために部下に手配させよう」
そのホテルが「ウォーターゲート・ホテル」で
主人公の部屋はウォーターゲート・ビルの向かい。
夜中、向かいの部屋の中で
懐中電灯が光って眠れない主人公は
ヒューズが飛んで停電したんだと思い、
ホテルのフロントに電話をかける。
「たぶんヒューズボックスを探してると思うんだけど
誰か人をやってもらえないかい?」
主人公が電話を切るシーンで映しだされるのが、
ステーショナリースタンドのホテル名のロゴで、
つまり、
当時の事件を知る人がこれを見ると
「ああ、ウォーターゲート事件だな」
と思う設定。
実は、その部屋は民主党党本部のオフィスで
ニクソンの指示でこっそり盗聴器を仕掛けていたのだが、
映画ではこの後、ニクソンの大統領辞任会見のシーンとなる。
さて、
「どこにお泊まりですか?」
という質問は、
人によってその意味が大きくちがう。
ホテルジャンキーにとっては
単にこの人「どこ」のホテルを選んだのか、
そしてその選んだ理由はなんなのかを知りたい、
ただ、ただ、知りたい、という好奇心に過ぎない。
しかし、
ビジネスシーンでは
やんわりと婉曲なかたちでの
相手の懐具合、所属するクラスなどのお育ち、
趣味・嗜好、
ひいてはどんな人間なのかのチェックでもある。
ホテル選びは単なる寝場所選びではない。
選ぶホテルはその人を語る。
*一番上の写真は「ウォーターゲート・ホテル」の公式サイトからお借りしました。