人って、そばにいるより、いないときの方が、その存在が気になることってある。
今回はどうやらおひとりで訪欧されたらしい安倍首相も、おそらくそうだったのでは…。
と、わたしが勝手に首相の胸のうちを想像してしまったのは、パリでお泊りになった「オテル・ムーリス」のスイートのドレッシングルームの写真を見て(上の写真)。
ドレッサーというのはふつう女性が使うものだ。鏡に向かってお肌のお手入れや化粧をしつつ、ひとりで自分の素顔と向き合うところでもある。
使う主がいないドレッサーを見て、安倍首相、何を思ったのだろう?
今回お泊まりになった部屋は、パリの街を見渡す広々とした250平米のテラスが付いた最上級のスイート、室内は300平米の「ベル・エトワール・スイート」(14500ユーロ)だろうか?
日本で溜まったストレスを思いっきり解放するにはよさそうだが。
それとも、サルヴァドール・ダリがかつて住んでいた"ヴェルサイユ宮殿"テイスト(トランプ大統領が好きそう…)の「プレジデンシャル・アパルトマン」(5000ユーロ)の方だろうか?
安倍首相、こんな広いバスルームでバスタブに浸かり、あ〜あ、日本に帰ったらめんどうなこといっぱいで、帰るの、やだなぁ…とか思ったりして(勝手な推測です)。
さて、この「オテル・ムーリス」だが、ブルネイ王室がオーナーのドーチェスター・コレクションのホテル。
こちらの"コレクション"は、ロンドンの名門「ドーチェスター」をはじめ、パリの「プラザアテネ」、ロサンジェルスの「ベル=エア」「ビバリーヒルズ・ホテル」など名門ホテルが集まっていることでも有名。
なので、一国の首相が泊まってもなんの不思議もない。
ところが、
前泊したドイツのハノーバーで泊まったのは、「ラディソン・ブル・ハノーバー」。
もともとの出自はスカンジナビア航空(SAS)のホテル部門のホテルブランドだが、ホテルジャンキー的にいうと、まあ、中の中から上くらいのホテルブランド。
↓ 写真で見る限り、ビジネスホテルのレベルにお見受けする。
最高級の「プラザスイート」110平米というのがあるのだが、スイートでも、まあ、こんな程度。
なにゆえこのホテルが選ばれたかは不明だが、ハノーバーには駅前に1軒だけ「カステンス・ホテル・ルイゼンホフ」という五ツ星ホテルといわれるのがあるものの、ホテルジャンキーにとってはこれといったホテルはない。
安倍首相、今の心境で、「オテル・ムーリス」とこちら、どっちのホテルの方が気持ちがぴったりしただろうか?
*「オテル・ムーリス」と「ラディソン・ブル・ハノーバー」の写真は各ホテルの公式サイトよりお借りしました。