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ホテルジャンキー村瀬千文とホテルにまつわるヒト・モノ・コト

パリのレストランにみるパリジャンたちの「食」の楽しみ方

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パリに行くと必ずやることというのがいくつかあるが、

そのひとつが、ミシュランの一ツ星クラスで、地元客でにぎわっているレストランに行くこと。

シェフというのもある種、アスリートと同じで、気力体力満ちたピーク「旬」の時がある。

そのいってみれば、いちばん美味しいときを見定めて、彼あるいは彼女の料理を食べることを無類の楽しみとしているグルメジャンキー族がパリにはいる。彼らが目をつけ食べに来ているようなレストランに行く。

そんな楽しみ方を教えてくれたのは、モエヘネシージャポンでかつてわたしが秘書をしていた元ボス、故北原秀雄 元駐仏大使である。

「ガイドブックなんか、あてにならん。パリに住んでいる、食べることが本当に好きなフランス人に評判を聞いて行きなさい」

パリ出張の際、北原大使と奥様とで「ラセール」(先にラ・セールと書きましたが、Lasserre ラセールが正しく、間違いでした。ホテルジャンキーズクラブの会員でミシュランジャンキーの藤山純二郎さんよりご指摘があり判明。訂正します。藤山さん、ありがとう!)

にディナーに招いてくれたときは、着ていく服から、「メトロで来てはいかん。タクシーで来なさい」と交通手段の指示。食事中は、オンザジョブトレーニングで、メニューの選び方から、マナー、メートルドテルやソムリエとの接し方まで、これ以上はないという方に直接教えをこうことができたわたしはほんとうにラッキーだったと思う。

そんなわけで、今回もホテルのコンシエルジュはもちろんのこと、サンジェルマンデプレ界隈の店の店主などに尋ね、最終的に決めたのが、

「 Hélène Darroze エレーヌ・ダローズ」

スペインとの国境に近いフランス南西部出身の女性シェフの店。美食で有名なバスク地方の食材を使うことでも知られている(テーブルにはバスク名物の唐辛子入りのバターも)。

 

「4皿+デザート1皿」98ユーロのコースで、別料金を払うメニューからオマール海老(+45ユーロ)と乳飲み仔羊(+25ユーロ)を選び、チーズ(18ユーロ)、アペリティフミモザ、赤ワインをグラスで一杯(15ユーロ)、コーヒー(5・5ユーロ)、ミネラルウォーター(7ユーロ)で、合計232・5ユーロ(約28000円)。

わたしはほとんどお酒が飲めないが、北原大使の教えに従い、こういうレストランでは飲めなくてもグラスでワインを注文してテーブルに置いておく。今回はソムリエに「あまりお酒は飲めないが、フォアグラを美味しく食べられるワインを選んで」と頼んだ。

 

ほかの客たちはアペリティフシャンパンではじめ、ワインをボトルで頼み、白・赤飲んでいるので、一人プラス10000円程度。一人あたりの食事の合計が30000〜40000円程度だろうと思われる。

高校生くらいの子供を連れた近所に住むという家族連れもいたが、一家3人で10万円といったところ。

決して安くはないのだが、みなさん、料理をほんとうに楽しんでいることが伝わってくる。

 

客層は、2階のダイニングは9割がフランス人で、会話の内容から何度も来ているらしい客も多い。外国人は、わたし以外は、隣のテーブルにいた英仏語ともに堪能で物腰も洗練された上海から観光で来ているという中国人カップルのみ。

 

さて、お料理。

アミューズには目の前で切って出される生ハム。これがもう、ホントに美味しくて、美味しくて、感動してパクパク食べているうちに写真を撮り忘れた。

以下、わたしが食べたものです(一番の上の写真が前菜のフォアグラ)。

 

ホタテ料理

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 オマール海老

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 乳飲み仔羊

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 フランス南西部のチーズ

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 プチフール

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 チョコレートのデザート

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サービスのテンポもよく美味しくて、完食。