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ホテルジャンキー村瀬千文とホテルにまつわるヒト・モノ・コト

「わざわざ」人が行かないところに、「わざわざ」出かけて行く。

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「トラベル+レジャー」誌の読者投票によるホテルランキングで今年1位になったのは、ここ ↑ インドネシアのスンバワ島にある「Nihiwatu ニヒワトゥ」。

サーファーたちのメッカとして知られるが、たどり着くまでがけっこう大変なところである。

まず、スンバワ島という島であるが、バリ島の東にあるのがロンボク島で、そのさらにまた東方にあるのがスンバワ島。

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アマンジャンキー(ホテルジャンキー用語で、アマンリゾーツのホテルをこよなく愛し、中毒のごとくリピートする人々のことをいう)たちには「アマンワナ」があるモヨ島のすぐ真下にある島だよ、といえばわかるだろう。

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(上2点の地図と写真はアマンリゾーツの公式サイトからお借りしました)

初期の頃のアマンリゾーツの多くがそうであったように、「アマンワナ」はたどり着くまでが大変なホテルである。

バリ島かロンボク島から飛行機かフェリーでスンバワ島へ。スンバワ島からさらにスピードボートで1時間あまり。

あえて、観光のメッカであるバリ島でもなく、ロンボク島でもなく、空港はおろか定期船すら通っていない、ジャングルと海のほかは何もない(ふつうの観光客にとっては)不便な小島にある小さいホテルに、誰に頼まれたのでもないのに、自分の意志で「わざわざ」やってきた人々というのは、ふつうからは、ふつうではない人と見られる。

そして、お金と時間がある(作れる)人たちだろうな、とも。

「わざわざ」人が行かないところに、「わざわざ」出かけて行く。

そういう自分ってけっこうイケてるじゃん…という密かな悦び、わくわく心踊る高揚感。金と暇もてあまして退屈だから来てみただけサ…などなど。

「わざわざ」出かけて行く目的は、人それぞれである。

確かなのは、どんな僻地であろうと、高いお金を出してもこういうものがもらえるのならば、ぜひ行きたいと思う人が世の中にはいるということだ。

しかし、この「わざわざ」っていうのも、けっこう曲者。

そのままストレートに不便のまんまにした「わざわざ」ではダメ。

「わざわざ」を上手に感じさせる、これはこれでまたむずかしいプロの技だ。

 

 *一番上の「Nihiwatu ニヒワトゥ」の写真は同ホテルの公式サイトからお借りしました。