わたしがホテルシーンのなかで特に好きなもののひとつに、くもりひとつなく磨き上げられたシルバーウェアがあるシーンがある。
昼下がりのティータイム。天井が高く、ゆったりしたテーブル間隔のラウンジで、無駄のない動きのウェイター(ウェイトレス)が、銀のポットで香り高いコーヒーを注いでくれる…。
今までで最高のそんなシーンに出会えたのは、ドイツはハンブルクの「フィア・ヤーレス・ツァイテン」のラウンジ「Wohnhalle」。
長いエプロンをつけた長身のウェイターが左手を背につけ、腰をきれいにかがめ、飲み物をサーブする、そのシーンだけで絵になる。
このホテルは、1897年開業、北ドイツの港町ハンブルクでも格式を誇る老舗ホテルで、街の中心にあるのだが、アルスター湖という人口湖に面しておりリゾートホテルの雰囲気もある。
バスルームのタオルウォーマー、これで湯上りの暖かいタオルの心地好さを知った。
わたしの「再訪したいホテル」リストでも上位にあるホテルのひとつだ。
ちなみに、一番上のコーヒーカップの写真は、ホテルのものではない。
ホテルではないけれど、その精神にはホテルのコーヒーショップのこうあってもらいたいものが流れているとわたしが勝手に思っている「洋菓子 ウエスト」のティーショップのもの。先日、訪れた銀座店のものだが、磨き上げられたシルバーウェアは昔も今も変わらない。
青山ガーデン店の方が、店のゆったりした空間作りも、メニューも、ホテルよりもホテルのコーヒーショップらしさが 味わえて、わたしは好き。
コーヒーは好みのいれ方でオーダーできるし、おかわり自由。
↓ ミルフィーユは焼きたてを出してくれるし。
ホテルでも、シルバーウェアがきれいに磨かれていないところにときどき出会うが、そういうところは、たいていサービスにも難がある。
*「フィア・ヤーレス・ツァイテン」の写真は同ホテルのサイトからお借りしました。