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ホテルジャンキー村瀬千文とホテルにまつわるヒト・モノ・コト

日本で初めてのビーチリゾートホテル

それは、鎌倉の由比ヶ浜海岸にかつてあった「海浜ホテル」である、

という論を唱えているのが、島本千也さん。

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島本さんとの出会いは、雨の鎌倉。

鎌倉オフィスを開設して間もない昨年暮れ、由比ヶ浜通りをぶらぶら散歩していた時、雨が降り出した。

雨宿りに飛び込んだのが、古本屋さん。古本屋さんというのは、ピタッとくるお店とそうでないお店があるが、ここはピタッ。あれやこれやとほかではみつからなかった本を買ってひとりにんまりしていると、鎌倉本コーナーが目に入った。

 

「海辺の憩い 湘南別荘物語」「鎌倉別荘物語 - 明治・大正のリゾート都市」・・・まさに私が読みたい本だ! 買おう! と勇んで値段を見たら、6000円台・・・。う〜ん。もしかしたら、アマゾンでもっと安く出てるかも、と検索してみると、著者の島本さんのサイトがあって、こちらでは2100円で売っている。さっそく島本さんにメールして注文。見るとすぐ近所にお住まいのようなので、取りに行きます、いらっしゃい。お宅まで取りに伺った。

ちょうど湘南マラソンの日で、かたわらを外国人ランナーなんかが通っていく道端で立ち話がはずんだ。

「『鎌倉の別荘地時代研究会』というのを毎月やってるんですけれど、来ませんか?」と誘われ、行きます、行きます!

 

ということで、1月16日、鎌倉中央図書館で開催された会に参加させていただいた。

島本さんは元高校の歴史の先生という郷土史家の方だし、ほかのメンバーの方たちも鎌倉市役所や鎌倉図書館、鎌倉国宝館といった堅いところにおつとめの研究者などいかにもまじめそうな方ばかり。学生時代に居眠り姫と呼ばれていた私は、学校の授業を思い出してしまってちょっと不安だったが、ともかく乱入。

この日は鎌倉川喜田映画記念館の増谷さんが映画に描かれた鎌倉についてお話してくださり、メンバーの方のなかに黒澤明の映画「七人の侍」に農民役で出ました、なんていう俳優の方もいたりして、知らなかった鎌倉の一面を知ることができておもしろかった。

 

先日、鎌倉文学館に行ってきた。そこに昔の鎌倉のジオラマがあって、文学館から海に下っていったところに「海浜ホテル」が。ああ、こんなところにあったのか。

川喜田映画記念館の増谷さんによると、かつて海浜ホテルではパラマウント映画の上映会なんかもあったらしい。ジオラマを見ながら当時のことをあれこれ想像すると楽しい。

 

ホテルとの出会い、本との出会い、人との出会い、出会いは楽しい。